「渡来人とは何者か」武光誠 河出書房新社 2024年 ① / 「未来に語り継ぐ戦争」東京新聞社会部 岩波ブックレット№826 2012年 ①【再掲載 2017.8】
今日は3月6日、木曜日です。
今回は、武光誠さんの
「渡来人とは何者か」1回目の紹介です。
小学生の時から聞いていた「渡来人」についての本です。
中学校社会科、高校日本史でも学習しました。
それでも、わたしは「渡来人」とは「半島から渡ってきたいくつかの少数
の技術者の集団」くらいに考えていました。
しかし、本書を読み、「渡来人」とは何を指すのか、少し分かったよう
な感じ、すっきりしています。
日本の歴史に興味をおもちの方におすすめの本です。
出版社の案内には、
「東漢(やまとのあや)氏、秦氏、自称『渡来人』の豪族たち…。彼ら
の素性、渡来時期ヤマト政権下の足跡とは?近年のDNA解析の成果
もふまえ、誤解に満ちた虚像と意外な実像を追う。著者の武光誠氏
は、『神道』『仏教』『日本神話』『陰陽道』など、現代の日本人の精神
に深くかかわる思想や信仰を、わかりやすく解説することで定評があ
り、数多くの本を世に送り出してきました。
本書では、『渡来人』の科学的新事実から、その後の足取りをつぶさ
に追っていくことで、日本人と『渡来人』が日本文化に与えた影響を
捉えなおします。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「古墳人のDNA遺伝情報の60%あまりが東アジア系祖先のもの」
- DNA解析が進んでいることを知りました。
・「渡来人の新しい解釈は『日本人の主な祖先は古墳時代に朝鮮半島北
部中部から渡ってきた人々だが、すべてが何らかの先進技術の持ち
主であったわけではない』である。多数の移住者を受け入れても古
墳時代の社会の構造がほとんど変わらなかった」
・「技術者の他に、極めて多数の平凡な農民が大陸からやってきた。
1~3家族の小集団がばらばらに日本列島に渡ってきた。300年の
間に日本の人口の約1/4近くになった」
もう一つ、再掲載になりますが、東京新聞社会部の
「未来に語り継ぐ戦争」①を載せます。
惰性に流されないように日常生活を送ることの大切さを教わりました。
☆「渡来人とは何者か」武光誠 河出書房新社 2024年 ①

◇古墳時代に日本列島に渡った膨大な数の移住者とは
□DNA解析が覆した「渡来人」の定説
日本人3系統説に変わった(科学的根拠による)
1 縄文人
2 北東アジア系の弥生人
3 東アジア系の古墳人
= 「渡来人」と呼ばれてきた人々は日本人そのもの
DNAが語る古墳時代人の出自
金沢大学 覚張隆史助教
- 古墳人のDNA遺伝情報の60%あまりが東アジア系祖先の
もの
新モンゴロイド(中国人系)
◎ 高句麗南部、百済、新羅に相対する朝鮮半島北部中部に居住
していた新モンゴロイドが日本に渡ってきた
本州の日本人の遺伝情報の約70%が東アジア祖先のもの
(わずか12体の人骨分析によって) - 令和3(2021)年
渡来人は技術者や学者の集団か?
新
「日本人の主な祖先は古墳時代に朝鮮半島北部中部から渡って
きた人々だ。しかし、すべてが何らかの先進技術の持ち主で
あったわけではない」
※ 多数の移住者を受け入れても古墳時代の社会の構造がほとん
ど変わらなかった
□日本人のルーツと「渡来人」の関係
理化学研究所の新設
令和6(2024)年4月
寺尾知可史リーダー
3256人の遺伝子情報を分析
3源流 ①「縄文系祖先」 ②「関西系祖先」③「東北系祖先」
縄文人集団 東アジア祖先 北東アジア祖先
現代人15~20% 25%前後 55~60%前後
渡来人は古代日本人となった
現代の約25%が古墳時代の日本に来た東アジア系の人間の子孫
の可能性
古墳時代
東の日本に 550万~560万人の人間
◎「日本人という民族は、縄文人、北東アジア祖先アジア人、東祖
先アジア人、3種類の人間が混じり合ってつくられた」
= 日本人の祖先にあたる130万~140万人の東アジア祖先の
人々を「新たな移住者」や「外来の人々」を意味する「渡来
人」と呼ぶべきではなかろう
◎ 技術者の他に、極めて多数の平凡な農民が大陸からやってきた
1~3家族の小集団がばらばらに日本列島に渡ってきた
300年の間に日本の人口の約1/4近くに!
☆「未来に語り継ぐ戦争」東京新聞社会部 岩波ブックレット№826 2012年 ①【再掲載 2017.8】
[出版社の案内]
あの戦争の過ちを繰り返さぬためには、どうしたらよいのか。
戦争体験者と戦争を知らない世代、年歳差最大64が語り合
う、7本の対談集。東京新聞が2006年から毎年8月15日に
掲載したこれらの対談は、過去を直視し、未来に引き継ぐ教
訓を得ようとする人びとに、大きな勇気と励ましを与えてく
れるに違いない。

1 わたしたちは自らを裁かないまま戦後を始めた
- むのたけじ&雨宮処凛
□むのたけじ
1915秋田県生
朝日新聞 → 1945.8.15退社
1948.2~1978.1「たいまつ新聞」
□雨宮処凛
1975北海道生
新右翼→やめた
当局よりも周囲の圧迫
8.12前身分がポツダム宣言受諾承知
<むのたけじ>
「お前たち言うことを聞け」なんてどこからも言われない。そういう
のは何もないの。
それでこっちが動けなくなっちゃうのよ。
マヒしちゃうの。
これが戦争の恐いところ。
当局の圧迫より、周りだな。隣近所。
<雨宮処凛>
愛国
① 家族・故郷の果て かつては
② 居場所探し
本当に愛せるものがないから、自分を肯定するために愛国にすがり
つきたいという切実な思い
<むのたけじ>
国家が監視して縛り付けるなんてこと何もやんないの。
一番縛り付けているのは近所の者。親兄弟。
→ がんじがらめ
中国文学者
「暴君治下の国民は暴君よりも暴である」だから恐い
若い世代は無防備すぎる
自らを裁かず戦争を始めた
「ただ体制に順応し、流されて戦争に協力してしまったという恥ず
かしさ虚脱感があって、自らの戦争責任をあいまいにしてしまっ
た」
だからやっぱりね、国民が裁かなければならないと思います。
戦争を始めたのは陸軍の連中でも止められなかった・許した責任は皆
- 日本の国民が自ら戦争を裁かなきゃいけなかった
東京裁判で起訴された28人の戦犯が果たして本当の戦争犯罪人で
あったのか、それを蒸し返してもいいと思う。
あの中に本当に戦争をやった連中はいないんだから。ほんとにやっ
たのは、隠れて分からない連中だった。
<むのたけじ>
優等生はダメよ。疑わなくなる。疑うって事が人間を進歩させるんだ
が、疑うことをさせないのは戦争のみ
戦争肯定の材料は皆無
<むのたけじ>
結論は一人一人が自分を大事にすることです。
人間は一人ずつ生まれてきますから。
ひとりひとりが自分の歴史をつくっていくことだ。
自分の問題は自分が解決するということです。
<むのたけじ>
私が一番憎むは惰性なの。今、惰性に流されたらいけない。
<むのたけじ>
「どんなに悪い平和でも戦争にまさる」
「戦争を許すような空気を食い止めるのに必要なのは、やはり日常だ
な。人間と人間との関係、コミュニケーションが、日頃からうまく
いっていないと、いつの間にか見ざる、聞かざる、言わざるになっ
てしまう。」
今回は、武光誠さんの
「渡来人とは何者か」1回目の紹介です。
小学生の時から聞いていた「渡来人」についての本です。
中学校社会科、高校日本史でも学習しました。
それでも、わたしは「渡来人」とは「半島から渡ってきたいくつかの少数
の技術者の集団」くらいに考えていました。
しかし、本書を読み、「渡来人」とは何を指すのか、少し分かったよう
な感じ、すっきりしています。
日本の歴史に興味をおもちの方におすすめの本です。
出版社の案内には、
「東漢(やまとのあや)氏、秦氏、自称『渡来人』の豪族たち…。彼ら
の素性、渡来時期ヤマト政権下の足跡とは?近年のDNA解析の成果
もふまえ、誤解に満ちた虚像と意外な実像を追う。著者の武光誠氏
は、『神道』『仏教』『日本神話』『陰陽道』など、現代の日本人の精神
に深くかかわる思想や信仰を、わかりやすく解説することで定評があ
り、数多くの本を世に送り出してきました。
本書では、『渡来人』の科学的新事実から、その後の足取りをつぶさ
に追っていくことで、日本人と『渡来人』が日本文化に与えた影響を
捉えなおします。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「古墳人のDNA遺伝情報の60%あまりが東アジア系祖先のもの」
- DNA解析が進んでいることを知りました。
・「渡来人の新しい解釈は『日本人の主な祖先は古墳時代に朝鮮半島北
部中部から渡ってきた人々だが、すべてが何らかの先進技術の持ち
主であったわけではない』である。多数の移住者を受け入れても古
墳時代の社会の構造がほとんど変わらなかった」
・「技術者の他に、極めて多数の平凡な農民が大陸からやってきた。
1~3家族の小集団がばらばらに日本列島に渡ってきた。300年の
間に日本の人口の約1/4近くになった」
もう一つ、再掲載になりますが、東京新聞社会部の
「未来に語り継ぐ戦争」①を載せます。
惰性に流されないように日常生活を送ることの大切さを教わりました。
☆「渡来人とは何者か」武光誠 河出書房新社 2024年 ①

◇古墳時代に日本列島に渡った膨大な数の移住者とは
□DNA解析が覆した「渡来人」の定説
日本人3系統説に変わった(科学的根拠による)
1 縄文人
2 北東アジア系の弥生人
3 東アジア系の古墳人
= 「渡来人」と呼ばれてきた人々は日本人そのもの
DNAが語る古墳時代人の出自
金沢大学 覚張隆史助教
- 古墳人のDNA遺伝情報の60%あまりが東アジア系祖先の
もの
新モンゴロイド(中国人系)
◎ 高句麗南部、百済、新羅に相対する朝鮮半島北部中部に居住
していた新モンゴロイドが日本に渡ってきた
本州の日本人の遺伝情報の約70%が東アジア祖先のもの
(わずか12体の人骨分析によって) - 令和3(2021)年
渡来人は技術者や学者の集団か?
新
「日本人の主な祖先は古墳時代に朝鮮半島北部中部から渡って
きた人々だ。しかし、すべてが何らかの先進技術の持ち主で
あったわけではない」
※ 多数の移住者を受け入れても古墳時代の社会の構造がほとん
ど変わらなかった
□日本人のルーツと「渡来人」の関係
理化学研究所の新設
令和6(2024)年4月
寺尾知可史リーダー
3256人の遺伝子情報を分析
3源流 ①「縄文系祖先」 ②「関西系祖先」③「東北系祖先」
縄文人集団 東アジア祖先 北東アジア祖先
現代人15~20% 25%前後 55~60%前後
渡来人は古代日本人となった
現代の約25%が古墳時代の日本に来た東アジア系の人間の子孫
の可能性
古墳時代
東の日本に 550万~560万人の人間
◎「日本人という民族は、縄文人、北東アジア祖先アジア人、東祖
先アジア人、3種類の人間が混じり合ってつくられた」
= 日本人の祖先にあたる130万~140万人の東アジア祖先の
人々を「新たな移住者」や「外来の人々」を意味する「渡来
人」と呼ぶべきではなかろう
◎ 技術者の他に、極めて多数の平凡な農民が大陸からやってきた
1~3家族の小集団がばらばらに日本列島に渡ってきた
300年の間に日本の人口の約1/4近くに!
☆「未来に語り継ぐ戦争」東京新聞社会部 岩波ブックレット№826 2012年 ①【再掲載 2017.8】
[出版社の案内]
あの戦争の過ちを繰り返さぬためには、どうしたらよいのか。
戦争体験者と戦争を知らない世代、年歳差最大64が語り合
う、7本の対談集。東京新聞が2006年から毎年8月15日に
掲載したこれらの対談は、過去を直視し、未来に引き継ぐ教
訓を得ようとする人びとに、大きな勇気と励ましを与えてく
れるに違いない。

1 わたしたちは自らを裁かないまま戦後を始めた
- むのたけじ&雨宮処凛
□むのたけじ
1915秋田県生
朝日新聞 → 1945.8.15退社
1948.2~1978.1「たいまつ新聞」
□雨宮処凛
1975北海道生
新右翼→やめた
当局よりも周囲の圧迫
8.12前身分がポツダム宣言受諾承知
<むのたけじ>
「お前たち言うことを聞け」なんてどこからも言われない。そういう
のは何もないの。
それでこっちが動けなくなっちゃうのよ。
マヒしちゃうの。
これが戦争の恐いところ。
当局の圧迫より、周りだな。隣近所。
<雨宮処凛>
愛国
① 家族・故郷の果て かつては
② 居場所探し
本当に愛せるものがないから、自分を肯定するために愛国にすがり
つきたいという切実な思い
<むのたけじ>
国家が監視して縛り付けるなんてこと何もやんないの。
一番縛り付けているのは近所の者。親兄弟。
→ がんじがらめ
中国文学者
「暴君治下の国民は暴君よりも暴である」だから恐い
若い世代は無防備すぎる
自らを裁かず戦争を始めた
「ただ体制に順応し、流されて戦争に協力してしまったという恥ず
かしさ虚脱感があって、自らの戦争責任をあいまいにしてしまっ
た」
だからやっぱりね、国民が裁かなければならないと思います。
戦争を始めたのは陸軍の連中でも止められなかった・許した責任は皆
- 日本の国民が自ら戦争を裁かなきゃいけなかった
東京裁判で起訴された28人の戦犯が果たして本当の戦争犯罪人で
あったのか、それを蒸し返してもいいと思う。
あの中に本当に戦争をやった連中はいないんだから。ほんとにやっ
たのは、隠れて分からない連中だった。
<むのたけじ>
優等生はダメよ。疑わなくなる。疑うって事が人間を進歩させるんだ
が、疑うことをさせないのは戦争のみ
戦争肯定の材料は皆無
<むのたけじ>
結論は一人一人が自分を大事にすることです。
人間は一人ずつ生まれてきますから。
ひとりひとりが自分の歴史をつくっていくことだ。
自分の問題は自分が解決するということです。
<むのたけじ>
私が一番憎むは惰性なの。今、惰性に流されたらいけない。
<むのたけじ>
「どんなに悪い平和でも戦争にまさる」
「戦争を許すような空気を食い止めるのに必要なのは、やはり日常だ
な。人間と人間との関係、コミュニケーションが、日頃からうまく
いっていないと、いつの間にか見ざる、聞かざる、言わざるになっ
てしまう。」
この記事へのコメント
NICEです
むのさんの言葉は読んでからずっと頭の中に残ってます。
DNA解析といわれるだけで変に納得してしまうわたしです。
今日も来ましたよ♪