「『文章術のベストセラー100冊』」のポイントを1冊にまとめてみた。」藤吉豊 小川真理子 日経BP 2021年 ①(前) /「日本民俗学のエッセンス」瀬川清子・植松明石編 ペリカン社 1994年 ②【再掲載 2017.9】

今日は4月15日、火曜日です。


今回は藤吉豊さん、小川真理子さんの
「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた。」
の紹介、1回目です。



出版社の案内には、

「この1冊で、100冊分の重要スキルが身につく
 『文章の書き方・大事な順』ランキング、ベスト40
 1位~7位のルールで、『文章力の向上』を実感できる。
 20位まで身につければ、『文章がうまい人』になれる。
 40位まで身につければ、『プロ級の書く力』が手に入る。」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「一文の目安は60文字以内」


・「論文に求められるのは『結論の正しさ』ではなく、『結論に行き着
  くまでの展開の正しさ』」


・「推敲のポイント。①時間をおいて読み直す ②あえてプリントア
ウトして読み直す  ③声に出して読み直す ④他人に読んでも
らう」



もう一つ、再掲載になりますが、瀬川清子さん、植松明石さんの編による
「日本民俗学のエッセンス」②を載せます。
遠州にも関連する雑誌「土のいろ」がありました。





☆「『文章術のベストセラー100冊』」のポイントを1冊にまとめてみた。」藤吉豊 小川真理子 日経BP 2021年 ①(前)

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◇本当に大切な「7つのルール」ランキング1~7位

1位 文章をシンプルに
ポイント
 1 余計な言葉はとにかく削って簡潔に 
内容が伝わりやすくなる
リズムが良くなる
         削りやすい言葉
           接続詞 主語 形容詞 副詞 重複

2 一文の目安は「60文字以内」 
井上ひさし
         「分けて付けて、単純にして、それをつないでいけ
          ばいいのです。ソレが基本です。」

     3 ワンセンテンス・メッセージ

 

2位 伝わる文章には「型」がある
ポイント
1 「結論が先、説明が後」の逆三角形型が基本
①結論
②説明
③補足
  削るときは後ろから
  重要なものから先に述べよ
        ※「一番伝えたいこと」(=読み手が知りたいこと)
         を先に書く 

     2 説得力を高めたいときは「結論→理由→具体例→結論」
      の「PREP(プレップ)法」
PREP(プレップ)法
・P(POINT)  = ポイント、結論
・R(REASON) = 理由
・E(EXANPLE) = 事例、具体例
・P(POINT) = ポイント、結論、まとめ
逆三角形型 …「結論 → 説明 (→補足)」
PREP法 …「結論→理由→具体例→結論」 
結論-理由①-理由②-結論

     3 論文は「序論→本論→結論」の「三段型」で書く
論文に求められるのは「結論の正しさ」ではなく        
         「結論に行き着くまでの展開の正しさ」だから
論文の基本構成は「序論→本論→結論」の三段型
           ・序論 … 扱うテーマと問題点を提示
                        (疑問文を立てる)
           ・本論 … 問題の原因を分析
           ・結論 … 結論(解決策)を提示     
 ◎「型の活用」は文字力を身に付ける一番の近道
「型を覚えるのが上達の近道である」



3位 文章も「見た目」が大事
ポイント
1「余白」で読みやすい印象を与える
白い部分 = 文字、写真、画像がない部分
行間 … 文字サイズの0.5~1文字分
空白行… 内容の区切りで一行

     2 平仮名と漢字はバランス重視で
漢字が多め … 堅い印象、内容が頭に入りにくい
漢字が少なめ… やわらかい、内容が頭に入りやすい 
◎ひらがな8:漢字2がいい
       
     3 見た目を良くすると文章のリズムが良くなる 
音読をしたときに読みやすい文章
◎リズムの悪さ = 読みづらさ



4位 文章は必ず「推敲」する
ポイント
1 時間をおいて読み直す 
         最低でも一晩おいて

     2 あえてプリントアウトして読み直す  
         用紙-分析モード

     3 声に出して読み直す

     4 他人に読んでもらう
   推敲 … 自分で手を加える
  添削 … 他人が手を加える








☆「日本民俗学のエッセンス」瀬川清子・植松明石編 ペリカン社 1994年 ②【再掲載 2017.9】

[出版社の案内]

本書は、日本民俗学の研究史上、重要な研究者18人をえらんで、
その研究と方法を示し、それを中心に、日本民俗学の成立、展開
の理解にせまろうとしたものである。

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◇日本民俗学の胎動 植松明石
 
1.土俗研究 

□明治17(1884)年 
  坪井正五郎中心に人類学会「人類学報告」
土俗学
   = エスノロジー
   = 未開社会の土俗と同様
渡瀬荘三郎 三宅米吉 出口米吉

□明治26(1893)年 
  鳥居龍蔵,中山笑らにより「土俗会」結成
新年  贈答の風習  若者組  食制  年中行事



2.郷土研究

□明治末年  
  日本文化の伝統の見直しと地方への関心
郡誌,町村誌,郷土誌が相次いで出版
明治43(1910)年~大正8年末 
  「郷土会」新渡戸稲造,柳田国男も
   石黒忠篤(農政),木村修三(農政),正木助次郎(人文地理)
牧口常三郎(人文地理,教育思想家,創価学会創設者)
小野武夫(農政),小田内通敏(人文地理),十時弥(社会)
  →「郷土研究」「郷土会記録」

□柳田国男 
  「後狩詞記」(明治42 1909)
  「石神問答」(明治43 1910)
  「遠野物語」(明治43 1910)
  「時代と農政」(明治43 1910)
  ※ その中心は農政学

□大正2(1913)年 ~大正6年3月
雑誌「郷土研究」 
    柳田国男 + 高木敏雄(神話学者)
日本の民族文化の究明を目的
  柳田国男は20以上のペンネーム
他に折口信夫,中山太郎,早川孝太郎
 南方熊楠との論争

□明治45(1912)年 
  石橋臥波「日本民俗学会」
    坪井,三宅,白鳥と
大正2(1913)年 
    機関誌「民俗」~大正4年

□大正7(1918)年
  折口信夫「土俗と伝説」 ~1919
喜田貞吉「民族と歴史」 ~1923末
   → 「歴史地理」に
アチックミューゼアムの動きも注目
  大正10(1921)年 
     渋沢敬三 物質を通しての文化研究を提唱



3.日本民俗学の胎動

□大正14(1925)年
  「民族」 
     ナショナルなエスノロジー 個別的文化研究
←→ 南方熊楠 共通普遍の原理を求める
 〇折口信夫
    民俗学を独立の学問とは認めず,古代文化究明のための一つの
   方法と考えている 
○柳田国男  
    自身の直接の観察に重きを置く
    → 現実に存在する伝承資料の記録 
     = 共通解釈の場

□大正14(1925)年11月 
  雑誌「民族」発刊 
    柳田国男,石田幹之助,田辺寿利、奥平武彦,有賀喜左右衛門,
    岡正雄
日本民族の過去の生活の究明 
    学問の経世済民
~昭和4(1929)年 4巻3号で休刊
  → 「民俗学談話会」 - 雑誌「民俗学」

□昭和10(1935)年 「民族学研究」
関連雑誌 
    「民俗芸術」昭和3年  
    「旅と伝説」昭和3年 
    「郷土」昭和5年
    「方言」昭和6年  
    「社会経済史学」昭和6年
「ドルメン」昭和7年  
    「嶋」昭和8年
論文等  
    折口信夫「古代研究」S4 
    中山太郎「日本民俗学」S5,6
柳田国男「聟入考」S4 「蝸牛考」S4 
    早川孝太郎「花祭り」S5
    → 柳田国男「郷土生活の研究法」S10「民間伝承論」S8