「幸福な離婚」鮎川潤 中公新書ラクレ 2023年 ①(前) /「人生の自由時間」藤本義一 岩波書店 2001年 ③【再掲載 2018.4】

今日は4月23日、水曜日です。


今回は、鮎川潤さんの
「幸福な離婚」1回目(前)の紹介です。



毛利甚八さんの「『家栽の人』から君への遺言 佐世保高一同級生殺害
事件と少年法」を読み、家庭裁判所に興味をもち、関連する本をこの
ごろ読んでいます。



出版社の案内には、


「現在の日本では、結婚した夫婦の約3組に1組が離婚する。結婚と離
 婚は切り離せない時代となった。著者は、これまで10年以上にわたり
 家庭裁判所の家事調停委員として、離婚を中心に 200件以上の家事事
 件を担当。その最前線の経験と、二九例の具体的なケースから、幸福
 な離婚に向けての可能性を探る。また、世代別、テーマ別に、必要な
 知識と解決法を示す。
 子どもを含むすべての当事者にとっての、『幸せ』のための本。」


とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「[例]ダブル不倫の成就では、離婚後それぞれの配偶者に知られずに
  出産したことが書かれていました。それぞれの配偶者が、離婚前
に妊娠を知らずにいたとのこと。驚きました」


・「[例]単身赴任中、自分の知らないうちに不倫により出産した子が戸
籍に入っていたとのこと。パスポートを申請するまで気づかなかっ
  たことに驚きました。ずっと離ればなれに生活していたからでしょ
うか。」



家族についていろいろ考えさせられる本です。



もう一つ、再掲載になりますが、藤本義一さんの
「人生の自由時間」③を載せます。
ダンディな藤本義一さんを知る人も少なくなりました。





☆「幸福な離婚」鮎川潤 中公新書ラクレ 2023年 ①(前)

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◇不思議な離婚調停

1 ダブル不倫の成就
<年齢>男性:30代後半 女性:30代前半 
  <職業>男性:会社員 女性:無職
  <子ども>1人(1歳)
  <背景>二人はダブル不倫
 <経緯>出生届役所に届出されていない

   出産後1年経過して女性から男性に認知の申立て
  
   ダブル不倫からそれぞれの配偶者に不倫出産を知られずに離婚・
   再婚に成功か?

   1年数か月無戸籍
     - 前夫の戸籍に入れたくない。また、不倫出産を知られた
      くない
 本来は「親子関係不存在確認」の申立を行う
 または、元夫に「嫡出否認」の申立を依頼
  
   きわどい綱渡り
   ◎ 知った方がよいか知らない方がよいか


2 知らないうちに増えていた戸籍の子ども
  <年齢>元夫:40代後半 元妻:30代後半
  <職業>元夫:会社員 元妻:主婦
  <子ども>長男:10歳 長女:4歳
  <経緯>元夫から長女と自分との間の親子関係不存在確認

単身赴任から離婚へ

妻が一方的に(不倫から) 
    夫が追認状況 → 戸籍に知らない「自分の子」

  パスポートを取る際に発覚
    元夫は長女は自分の子ではないと親子関係不存在確認を申立



◇親権者変更
1 子どもの同意
親権は変更できる
     - 親権は変更しうるもの 変更している人もいる
    
    子どもが15歳以上の場合、子ども自身の同意が必要(親権)  


2 裁判所による親権者変更








☆「人生の自由時間」藤本義一 岩波書店 2001年 ③【再掲載 2018.4】

[出版社の案内]

定年後にたっぷり手にしうる自由な時間、それをどう充実させて
生きるか。ぜひともなすべきこと、心がけたいことは何か。戦争
も震災もくぐりぬけ、無数の人間模様を見つめてきた作家が、好
評の『人生の賞味期限』に続いて贈る、高齢者への“応援歌”。
深い洞察と示唆に満ちた、書き下ろし多数を含む20篇のエッセイ
で構成。

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◇軽鬱病予防法

□軽鬱病者増加
  40代、50代、60代、30代、70代、20代
10年前から顕著に
    日本人の1/10が軽鬱説

ストレス 
    ・工業用語のストレッチャーからの造語
      = 摩擦係数
・ストレスをたくみに活用する方法を得たなら人間は前進する
→ 空転状態が軽鬱病
・まじめな完全主義者、几帳面な人
   言われてはいそうですかと言ってできる人はまじめな人
      ではない
・プライドの第一条件は大きな寛容の精神を持つこと


□身体の変化から表れる
不定愁訴
    頭痛 肩こり 耳鳴り 嘔吐 不整脈 不眠等々
→ 原因はすべて脳の視床下部に発生した血行障害
= 血の流れの悪化 
       - ストレスが脳の血流に影響を与える

カルテ 3段階
  ①自己注目 → 自己否定 → 自己没入
②自己注目 → 自己没入 → 自己否定
脱皮エネルギーの喪失

人間の心の中の閾値(いきち)がバランスを崩した証拠
  <強い部分 対 弱い部分>

 きっかけは他人のほんの一言から

安定志向 → サイコロ思考法
   六面のサイコロ各面に自分のやりたいことを書いて転がし出
    た日に忠実に従う

藤本義一の方法 
① 嫌いな人間を6人選出
    ② 好きな人間を6人選出
③ はじめに嫌いな人のサイコロを振る
      → 出た人に積極的に声を掛ける
    ④ 好きな人のサイコロを振る
       → 話し合う、電話する、声を掛ける



◇連れあいの死
 「迷子の天使たち」戯曲
  ボケ・モウロク 
    昔は自分に対しての言葉だった 
     = 他人に対しては失礼
→ 「子供かえり」「先祖がえり」の言葉に!

  60代後半、70代前半の夫の死が引き金になっての発病が多い
 = ホルモン  
      エストロゲン(女性ホルモン=記憶)が急激に衰える
アンドロゲン(男性ホルモン=怒り、恐怖)

  ホルモンのバランスの崩れが原因
  = お互いに心(脳)の深い部分で愛し合っていた
  45年間以上の夫婦生活が必要



◇給料袋の思い出
フランス説 
    ・パパは働いてお金を持って帰る人
  ・ママはお金を受け取って暮らしを支える人
= 原始社会と同じ

子供の前で渡す
     犬さえエサを暮れる人と長の見分け方を知っている
  → 尊敬に結びつく

  働いて稼ぐのが報酬
   - 家の中の儀式にお金が介在