「見開き2ページを分析・社会科」佐々木潤(石巻市立住吉小学校) 『教師のチカラ』より 2014年頃 /「免疫学個人授業」多田富雄 南伸坊 新潮社 1997年 ⑦【再掲載 2015.5】
今日は6月4日、水曜日です。
今回は佐々木潤さんの
「見開き2ページを分析・社会科」を紹介します。
日本標準教育研究所から出ている季刊教育雑誌の記事です。
もう一つ、再掲載になりますが、多田富雄さん、南伸坊さんの
「免疫学個人授業」⑦を載せます。
☆「見開き2ページを分析・社会科」佐々木潤(石巻市立住吉小学校) 『教師のチカラ』より 2014年頃

6年生の社会の教科書は、一つの歴史上の出来事、一つのトピックを
見開き2ページで構成していることが多い。その見開き2ページを分析
していくと、授業のヒントが見つかる。ぜひ教科書も見ながら、これを
読んでいただきたい。
1 本文の内容
まずは、タイトルと最初の段落に着日。
これで、この2ページの概略が分かる。
次に最後の段落を読む。
ここにはまとめか、結果か、問題提起が書いてあることが多い。この
部分から、ここでは何を学習するのか見当がつけられる。
子どもの活動も同様である。授業では音読を3回することをお勧めす
る。声に出して読むことで、内容をより理解できる。
その後、「何について書かれていましたか」と発問することで概略が
確認でき、子どもも学習の見通しをもつことができる。
2 キーワード
本文の中に、その出来事、トピックを語る上で欠かせないキーワード
がいくつかある。だいたい4~7個である。
例えば東京書籍「新しい社会」の「元の大軍がせめてくる」のページ
であれば、「元」「執権」「集団戦術」「ご恩と奉公の関係がくずれる」と
いった言葉である。
このようにキーワードを見っけていくことが教材研究の一部になって
いるのである。
これらの言葉は、子どもも分かっているようで分かっていないことが
多い。
授業では、これらの言葉を子どもたちに説明させるのだ。
説明するためには調べなければならない。こうすることで資料の使い
方を覚えていく。
3 絵・写真
どのページにも、絵や写真が載っている。
こうした絵や写真が、本文の内容のどこと関連があるのか、押さえて
おくとよい。
小さい絵や写真は、大体のイメージをつかませるためのものである。
文章で伝わりにくいことを絵や写真で補っている。
大きな絵や写真は、これを使って読み取りをすることをねらっている。
細かいところまで読み取れるように大きくしてあるのだ。
この絵の中の何を読み取らせたいか、あらかじめ分析しておく。
授業の際は、「気づいたこと」「そこから考えられること」をノート
に書かせるようにする。
気づくだけでは読み取りではない。気づいたことから「こうだったの
ではないか」と考えることが読み取りであり、結果、思考力を高めるの
だ。
4 地図
歴史学習とはいえ、教科書には地図が載っていることがある。
例えば、先ほどあげた「元寇」のべージには、元軍の攻めてきたルー
トが地図上に示されている。
1度目のルートと2度目のルートは明らかに違っている。これはなぜ
なのか。
それは、1度目の攻撃の後に日本が石塁を築いたからである。それに
よって元軍は攻撃のルートを変えざるを得なかったのだ。
このように地図からも重要な事実を読み取ることができるのである。
☆「免疫学個人授業」多田富雄 南伸坊 新潮社 1997年 ⑦【再掲載 2015.5】
[出版社の案内]
「風邪は薬では治りません。免疫が治すのです」
病気の原因になる細菌が体内に侵入すると、体はそれらを攻撃する抗体
を作る。そのしくみを利用したのが、ジェンナーの種痘。研究者達の奮
闘はその後も続くが、やがて素朴な疑問にぶつかる。自分と他人はどう
やって区別するのか? そもそも自分とは何か? 免疫学の歴史、研究
室でやっているコト、そしてエイズ治療など最先端の研究をやさしく楽
しく勉強できる、人気シリーズ第2弾!

◇かぜって何だ?
かぜ
のどが痛い
ウィルスが体に入る
レセプター(免疫体)にくっついた
→ くっついてウィルスが増え始める
→ インターフェロン(増殖を抑える物質)がつくり出される
= のどがおかしくなる
→ ナチュラルキラー細胞(NK細胞) = 殺す
マクロファージ細胞 = 食べる
インターロイキンI物質
① 脳に働いて熱を出させる
② T細胞に働いてT細胞が増える
のどが急にいたくなる
くしゃみ・鼻水
薬でかぜは治らない
かぜは自分の体が治してくれるまで待つしかない
→ サイトカイン
次に
キラーT細胞を出す
→ 細胞を殺す
B細胞
→ ウィルス中和の抗体を合成する
IgM
→ IgG(強力にウィルスを中和する)
ウィルス感染してからIgG抗体ができるまでおよそ一週間
<まとめ>
のどのいがらっぽさ
ウィルス増殖に対抗してインターフェロン、MK細胞が活躍し
ていること
→ 熱が出てT細胞が働き出す
キラーT細胞 ウィルス感染細胞を殺す
→ IgM,IgG抗体ができる
「風邪薬は症状を改善するのみ。風邪は免疫が治すので薬では治らな
い」
= 抗生物質はウィルスには効力がない
<先生の一言>
「風邪は万病のもと」
今回は佐々木潤さんの
「見開き2ページを分析・社会科」を紹介します。
日本標準教育研究所から出ている季刊教育雑誌の記事です。
もう一つ、再掲載になりますが、多田富雄さん、南伸坊さんの
「免疫学個人授業」⑦を載せます。
☆「見開き2ページを分析・社会科」佐々木潤(石巻市立住吉小学校) 『教師のチカラ』より 2014年頃

6年生の社会の教科書は、一つの歴史上の出来事、一つのトピックを
見開き2ページで構成していることが多い。その見開き2ページを分析
していくと、授業のヒントが見つかる。ぜひ教科書も見ながら、これを
読んでいただきたい。
1 本文の内容
まずは、タイトルと最初の段落に着日。
これで、この2ページの概略が分かる。
次に最後の段落を読む。
ここにはまとめか、結果か、問題提起が書いてあることが多い。この
部分から、ここでは何を学習するのか見当がつけられる。
子どもの活動も同様である。授業では音読を3回することをお勧めす
る。声に出して読むことで、内容をより理解できる。
その後、「何について書かれていましたか」と発問することで概略が
確認でき、子どもも学習の見通しをもつことができる。
2 キーワード
本文の中に、その出来事、トピックを語る上で欠かせないキーワード
がいくつかある。だいたい4~7個である。
例えば東京書籍「新しい社会」の「元の大軍がせめてくる」のページ
であれば、「元」「執権」「集団戦術」「ご恩と奉公の関係がくずれる」と
いった言葉である。
このようにキーワードを見っけていくことが教材研究の一部になって
いるのである。
これらの言葉は、子どもも分かっているようで分かっていないことが
多い。
授業では、これらの言葉を子どもたちに説明させるのだ。
説明するためには調べなければならない。こうすることで資料の使い
方を覚えていく。
3 絵・写真
どのページにも、絵や写真が載っている。
こうした絵や写真が、本文の内容のどこと関連があるのか、押さえて
おくとよい。
小さい絵や写真は、大体のイメージをつかませるためのものである。
文章で伝わりにくいことを絵や写真で補っている。
大きな絵や写真は、これを使って読み取りをすることをねらっている。
細かいところまで読み取れるように大きくしてあるのだ。
この絵の中の何を読み取らせたいか、あらかじめ分析しておく。
授業の際は、「気づいたこと」「そこから考えられること」をノート
に書かせるようにする。
気づくだけでは読み取りではない。気づいたことから「こうだったの
ではないか」と考えることが読み取りであり、結果、思考力を高めるの
だ。
4 地図
歴史学習とはいえ、教科書には地図が載っていることがある。
例えば、先ほどあげた「元寇」のべージには、元軍の攻めてきたルー
トが地図上に示されている。
1度目のルートと2度目のルートは明らかに違っている。これはなぜ
なのか。
それは、1度目の攻撃の後に日本が石塁を築いたからである。それに
よって元軍は攻撃のルートを変えざるを得なかったのだ。
このように地図からも重要な事実を読み取ることができるのである。
☆「免疫学個人授業」多田富雄 南伸坊 新潮社 1997年 ⑦【再掲載 2015.5】
[出版社の案内]
「風邪は薬では治りません。免疫が治すのです」
病気の原因になる細菌が体内に侵入すると、体はそれらを攻撃する抗体
を作る。そのしくみを利用したのが、ジェンナーの種痘。研究者達の奮
闘はその後も続くが、やがて素朴な疑問にぶつかる。自分と他人はどう
やって区別するのか? そもそも自分とは何か? 免疫学の歴史、研究
室でやっているコト、そしてエイズ治療など最先端の研究をやさしく楽
しく勉強できる、人気シリーズ第2弾!

◇かぜって何だ?
かぜ
のどが痛い
ウィルスが体に入る
レセプター(免疫体)にくっついた
→ くっついてウィルスが増え始める
→ インターフェロン(増殖を抑える物質)がつくり出される
= のどがおかしくなる
→ ナチュラルキラー細胞(NK細胞) = 殺す
マクロファージ細胞 = 食べる
インターロイキンI物質
① 脳に働いて熱を出させる
② T細胞に働いてT細胞が増える
のどが急にいたくなる
くしゃみ・鼻水
薬でかぜは治らない
かぜは自分の体が治してくれるまで待つしかない
→ サイトカイン
次に
キラーT細胞を出す
→ 細胞を殺す
B細胞
→ ウィルス中和の抗体を合成する
IgM
→ IgG(強力にウィルスを中和する)
ウィルス感染してからIgG抗体ができるまでおよそ一週間
<まとめ>
のどのいがらっぽさ
ウィルス増殖に対抗してインターフェロン、MK細胞が活躍し
ていること
→ 熱が出てT細胞が働き出す
キラーT細胞 ウィルス感染細胞を殺す
→ IgM,IgG抗体ができる
「風邪薬は症状を改善するのみ。風邪は免疫が治すので薬では治らな
い」
= 抗生物質はウィルスには効力がない
<先生の一言>
「風邪は万病のもと」
この記事へのコメント
完全崩壊したからだと、勘違いしてました。社会科教科書には博多付近
の地図が、多分載っているんでしょうね。
適切なコメントが出来ずに申し訳ないです。
もしかしたら親と接している時間より長いかも。
私は小学校4年生から塾へ通い始めましたが、国語辞典と漢和辞典は必須でした。
先生は辞書を引く速さを生徒同士で競わせていました。
今思うと役に立ってるし、自分が調べたことは覚えますよね。
詳しいことは忘れてしまいましたが、載せられていたのではないかと思います。
中身が大変気になります。
来訪、コメントをありがとうございます。
先生と接している時間が親と比べても長いかもしれないということは大きな影響をもたらすということです。よいことならよいのですが、こわくなります。
自分で調べる習慣を身につけさせようと、国語辞典と漢和辞典などのひきっこ競争がよく行われていたようです。今でもひいたところに「付箋」をはらせ、励みにしているようです。付箋が多量に飛び出ている辞書を見ると驚きます。
「免疫学個人授業」の「薬でかぜは治らない かぜは自分の体が治してくれるまで待つしかない」に何となく納得・同感です。小生は極力、薬等を飲まないように心掛けていますが、考え方に似ている感じです!?(=^・ェ・^=)
グラフの読み方などをよく指導していました。
血圧の薬を飲み忘れることが多いのでチェックが入ります。
子ども扱いされているようです。
確かにゆっくりとしてしまい時間がかかりそうです。
気になります(^.^)
季刊『教師のチカラ』はなくなり、日本標準のサイトに『教師のチカラNEXT』として情報提供されているようです。
実際の指導に役立つ情報から刺激を受けました。