「ふかいことをおもしろく」井上ひさし PHP文庫 2024年 ④ / 東井義雄さんの言葉 36「どの子も必ず救われる 私の家庭教育論」 東井義雄 明治図書 1983年 ③【再掲載 2017.6】
今日は6月8日、日曜日です。
午前中に地域の草刈り作業があります。
刈り払い機の扱いに気をつけなければなりません。
今回は、6月5日に続いて、井上ひさしさんの
「ふかいことをおもしろく」の紹介 4回目です。
井上ひさしさんの自伝といえます。
出版社の案内には、
「『自信はなかったけれど、とにかく書くのが楽しかったのです』
- 生誕90年、名作を生み続けた作家の数々の言葉は、没後の
今も心を打つ。
1964年からNHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』
(共作)の台本を執筆。69年に、『日本人のへそ』で演劇界に
デビュー。
小説『吉里吉里人』で日本SF大賞、読売文学賞(小説部門)
も受賞するなど、作家・劇作家として多くの業績を遺し、2010
年に永眠された著者。晩年にその人生をふりかえり、自ら語っ
た本書は、まさに井上ひさし入門書といえます。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「国立療養所の所長の言葉『あの人たちは、ちゃんと働いて税金を
払って、自分で好んだわけじゃなく、たまたま病気になってし
まった。今、治そうとしているときに、自己負担分を取るなんて
いうのはいけない』から『医者になろう!』と決意した」
・「医大に落ちて、黄表紙みたいな作品をたくさん書いて、ぼくみたい
な人がいたら、読んでいる間はゲラゲラ笑って、1日ぐらいほっと
するような、そういう小説を絶対書きたいと思って再び東京に向か
うことにした」
・「母から仕送りがあったが、2食付き寮費3千円を稼ごうと、『浅草
フランス座文芸員募集』に応募した。応募者は200人いたが、課
題の提出者は4人のみ。採用は井上と早稲田の演劇科の学生(林真
理子の叔父)」
もう一つ、再掲載になりますが、
「東井義雄さんの言葉 36」を載せます。
☆「ふかいことをおもしろく」井上ひさし PHP文庫 2024年 ④

9 国立療養所に勤めて
所長さん(東北大学教授兼任)
元ガダルカナル軍医
患者さんへの手紙を井上に依頼
手紙を届けるように預かるときいつも
「絶対に金を取ってくるな」(一割自己負担分)
所長
「あの人たちは、ちゃんと働いて税金を払って、自分で好んだわ
けじゃなく、たまたま病気になってしまった。今、治そうとし
ているときに、自己負担分を取るなんていうのはいけない」
→「医者になろう!」と井上
10 文学との出会い
読んでいる間はゲラゲラ笑って1日ぐらいほっとするようなそうい
う小説を絶対に書きたい
図書館のアルバイト
明治時代の貴重品をきれいにして飾る仕事
黄表紙集を読んで生きる気がわいた
大学は上智大学
1 カトリックで奨学金があったから
2 靖国神社参拝に最後まで反抗した大学だったから
早慶東大への劣等感からの吃音か?
医大すべてに落ちる 岩手医大、弘前医大
→ 医者を断念して完全に物書きになろうと決心
「黄表紙みたいな作品をたくさん書いて、ぼくみたいな人がいた
ら、読んでいる間はゲラゲラ笑って、1日ぐらいほっとするよ
うな、そういう小説を絶対書きたいと思って再び東京に向かう
ことにした」
11 浅草フランス座に
親がかりはもうやめにして自分の力でとにかく生きていく
釜石では母と一緒
給料を貯めて2年半で20万円あまり
それを手に大学に戻る
上智大学 外国語学部 フランス語科へ
貯金は半年で底をついた
母から仕送りがあったが、2食付き寮費3千円を稼ごうと「浅
草フランス座文芸員募集」に応募 応募者 200人
- 課題
「一週間以内に原稿用紙60枚の一幕ものの芝居を書くこと」
提出者は200人中4人のみ
採用は井上と早稲田の演劇科の学生(林真理子の叔父)
2人でストリップの幕間の笑劇の台本書き
当時、青年として長門勇、佐山俊二、関敬太、谷幹一
結核療養から戻った渥美清(復帰再デビュー作台本は井上)
コントを書くとお金がもらえる
- 基本給は3千円(=寮費と同じ)
コントは一本あたり500円プラス
大学の授業が終わるとすぐに地下鉄で浅草へ行き、ずっと本
を書いていた
→ その経験が後の仕事のベース
☆東井義雄さんの言葉 36「どの子も必ず救われる 私の家庭教育論」 東井義雄 明治図書 1983年 ③【再掲載 2017.6】

<家庭の回復>
◇夫と妻・父と母
□大人が病んでいるから子供が病む
人間が人間に育つためには母の胸に抱かれて乳をもらうことも大切
な条件
- 大人の狂ったあり方が狂った子供を育てている
□下農は雑草をつくり、上農は土をつくる
永井道雄元文相の母
「自分の利益のみ考えた行動を悪というが、万人の利益を考えた
行動を善という」
中村白葉
「事実は絶対である。その重さは比較を絶する。」
□家庭というところ
「家庭は人生の道場だ」
家庭はきれいごとのできるところではない。
しかし、きれいごとのできないままやはり絶えず光を求めて生き
合うところが「家庭」であるのではないか。
- 女の人に慎みや恥じらいが急速に失われている
永井元文相母堂
「神なき知育はさかしらな悪魔を育てる」
家庭とはきれいごとのできるところではない。
しかし、その中に人間の生き方が求められなければならない。
□荒れの中にあっても
人間の生き方
◇家族としての老人
□人間を大切にし合う家庭
禅僧
「座禅の修行が難しいというが、家庭の中で、家族が互いに人間を
大切にし合うことはもっともっと難しい修行だ。しかし、その難
しい修行の中で人間は育っていくのだ。家庭はその道場だ。」
人間の心を育てる家庭
近頃この苗床の荒れがひどくなってきている。冷たくやせたも
のになってきている。
□庄ちゃんの日記 庄ちゃんのあたたかい人柄
「一人の悲しみはみんなで分けて悲しみ、一人の喜びはみんなで大
きくして喜び合う家庭」
□老人もそのあり方を
味方のいない孤独な存在
真実を皆で話し合える家庭に
□おじいちゃんと孫
松田道雄『在野の思想家たち』(岩波書店) NHK『孫の教育』
叱られる子と共に辛さを分かち合いながらともに我慢
親鸞
「親鸞は弟子一人も持たずに候」
□おばあちゃんと孫
□育て合い活かし合いの家庭
鈴木道太『叱ってよい時悪い時』(明治図書)
午前中に地域の草刈り作業があります。
刈り払い機の扱いに気をつけなければなりません。
今回は、6月5日に続いて、井上ひさしさんの
「ふかいことをおもしろく」の紹介 4回目です。
井上ひさしさんの自伝といえます。
出版社の案内には、
「『自信はなかったけれど、とにかく書くのが楽しかったのです』
- 生誕90年、名作を生み続けた作家の数々の言葉は、没後の
今も心を打つ。
1964年からNHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』
(共作)の台本を執筆。69年に、『日本人のへそ』で演劇界に
デビュー。
小説『吉里吉里人』で日本SF大賞、読売文学賞(小説部門)
も受賞するなど、作家・劇作家として多くの業績を遺し、2010
年に永眠された著者。晩年にその人生をふりかえり、自ら語っ
た本書は、まさに井上ひさし入門書といえます。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「国立療養所の所長の言葉『あの人たちは、ちゃんと働いて税金を
払って、自分で好んだわけじゃなく、たまたま病気になってし
まった。今、治そうとしているときに、自己負担分を取るなんて
いうのはいけない』から『医者になろう!』と決意した」
・「医大に落ちて、黄表紙みたいな作品をたくさん書いて、ぼくみたい
な人がいたら、読んでいる間はゲラゲラ笑って、1日ぐらいほっと
するような、そういう小説を絶対書きたいと思って再び東京に向か
うことにした」
・「母から仕送りがあったが、2食付き寮費3千円を稼ごうと、『浅草
フランス座文芸員募集』に応募した。応募者は200人いたが、課
題の提出者は4人のみ。採用は井上と早稲田の演劇科の学生(林真
理子の叔父)」
もう一つ、再掲載になりますが、
「東井義雄さんの言葉 36」を載せます。
☆「ふかいことをおもしろく」井上ひさし PHP文庫 2024年 ④

9 国立療養所に勤めて
所長さん(東北大学教授兼任)
元ガダルカナル軍医
患者さんへの手紙を井上に依頼
手紙を届けるように預かるときいつも
「絶対に金を取ってくるな」(一割自己負担分)
所長
「あの人たちは、ちゃんと働いて税金を払って、自分で好んだわ
けじゃなく、たまたま病気になってしまった。今、治そうとし
ているときに、自己負担分を取るなんていうのはいけない」
→「医者になろう!」と井上
10 文学との出会い
読んでいる間はゲラゲラ笑って1日ぐらいほっとするようなそうい
う小説を絶対に書きたい
図書館のアルバイト
明治時代の貴重品をきれいにして飾る仕事
黄表紙集を読んで生きる気がわいた
大学は上智大学
1 カトリックで奨学金があったから
2 靖国神社参拝に最後まで反抗した大学だったから
早慶東大への劣等感からの吃音か?
医大すべてに落ちる 岩手医大、弘前医大
→ 医者を断念して完全に物書きになろうと決心
「黄表紙みたいな作品をたくさん書いて、ぼくみたいな人がいた
ら、読んでいる間はゲラゲラ笑って、1日ぐらいほっとするよ
うな、そういう小説を絶対書きたいと思って再び東京に向かう
ことにした」
11 浅草フランス座に
親がかりはもうやめにして自分の力でとにかく生きていく
釜石では母と一緒
給料を貯めて2年半で20万円あまり
それを手に大学に戻る
上智大学 外国語学部 フランス語科へ
貯金は半年で底をついた
母から仕送りがあったが、2食付き寮費3千円を稼ごうと「浅
草フランス座文芸員募集」に応募 応募者 200人
- 課題
「一週間以内に原稿用紙60枚の一幕ものの芝居を書くこと」
提出者は200人中4人のみ
採用は井上と早稲田の演劇科の学生(林真理子の叔父)
2人でストリップの幕間の笑劇の台本書き
当時、青年として長門勇、佐山俊二、関敬太、谷幹一
結核療養から戻った渥美清(復帰再デビュー作台本は井上)
コントを書くとお金がもらえる
- 基本給は3千円(=寮費と同じ)
コントは一本あたり500円プラス
大学の授業が終わるとすぐに地下鉄で浅草へ行き、ずっと本
を書いていた
→ その経験が後の仕事のベース
☆東井義雄さんの言葉 36「どの子も必ず救われる 私の家庭教育論」 東井義雄 明治図書 1983年 ③【再掲載 2017.6】

<家庭の回復>
◇夫と妻・父と母
□大人が病んでいるから子供が病む
人間が人間に育つためには母の胸に抱かれて乳をもらうことも大切
な条件
- 大人の狂ったあり方が狂った子供を育てている
□下農は雑草をつくり、上農は土をつくる
永井道雄元文相の母
「自分の利益のみ考えた行動を悪というが、万人の利益を考えた
行動を善という」
中村白葉
「事実は絶対である。その重さは比較を絶する。」
□家庭というところ
「家庭は人生の道場だ」
家庭はきれいごとのできるところではない。
しかし、きれいごとのできないままやはり絶えず光を求めて生き
合うところが「家庭」であるのではないか。
- 女の人に慎みや恥じらいが急速に失われている
永井元文相母堂
「神なき知育はさかしらな悪魔を育てる」
家庭とはきれいごとのできるところではない。
しかし、その中に人間の生き方が求められなければならない。
□荒れの中にあっても
人間の生き方
◇家族としての老人
□人間を大切にし合う家庭
禅僧
「座禅の修行が難しいというが、家庭の中で、家族が互いに人間を
大切にし合うことはもっともっと難しい修行だ。しかし、その難
しい修行の中で人間は育っていくのだ。家庭はその道場だ。」
人間の心を育てる家庭
近頃この苗床の荒れがひどくなってきている。冷たくやせたも
のになってきている。
□庄ちゃんの日記 庄ちゃんのあたたかい人柄
「一人の悲しみはみんなで分けて悲しみ、一人の喜びはみんなで大
きくして喜び合う家庭」
□老人もそのあり方を
味方のいない孤独な存在
真実を皆で話し合える家庭に
□おじいちゃんと孫
松田道雄『在野の思想家たち』(岩波書店) NHK『孫の教育』
叱られる子と共に辛さを分かち合いながらともに我慢
親鸞
「親鸞は弟子一人も持たずに候」
□おばあちゃんと孫
□育て合い活かし合いの家庭
鈴木道太『叱ってよい時悪い時』(明治図書)
この記事へのコメント
にならないように生きるのが、手段では無くて、目的になってしまっ
たような毎日に、最近はすっかりなってしまいました。
nice!です!!!
「ふかいことをおもしろく」ちょっと読んでみようかしらん(^^)
そんな彼、彼女らとどう付き合うか、私にとっては難しい課題です。
「給料を貯めて2年半で20万円あまり、それを手に大学に戻る」は凄いですね。また、浅草フランス座文芸員募集ですが「採用は井上と早稲田の演劇科の学生(林真理子の叔父)」との繋がりあり、初耳で興味深いです。林真理子さんの実家の本屋は訪れた事ありです!?(=^・ェ・^=)
心に残ります
わたしも人一倍健康に気を遣うようになりました。
それで納得しているだけですが。
井上ひさしさんが、今の大河ドラマのような江戸時代の文学に詳しいことが、小説やエッセイにいかされていることがわかりました。
その通り、別々の人格ですね。子どもが中高生の頃、干渉し過ぎていたと今になって反省しております。娘、息子も、そう毛嫌いもせず、上手に付き合ってくれるようになってほっとしています。家族それぞれに課題はもちろんあるのですが。
わたしも、図書館にある大活字本のありがたさがわかるようになってきました。
林真理子さんのご実家は本屋さんなのですね。わかるような気がします。わたしも、これを初めて知って驚きました。
フランス座での出来事はエッセイによく書かれていますが、大変おもしろいと感じます。