「日本の教育文化史を学ぶ」山田恵吾 ミネルヴァ書房 2014年 ③ /「色川大吉対談集 あの人ともういちど」色川大吉 日本経済評論社 2016年 ②【再掲載 2018.2】
今日は7月29日、火曜日です。
今回は、7月26日に続いて山田恵吾さんの
「日本の教育文化史を学ぶ」の紹介 3回目です。
出版社の案内には、
「こんにち、教育に関する議論が盛んである。しかし、このことを歴史的
に考えてみると、実は同じようなことは昔から議論されていたことがわ
かる。とはいえ、課題は新たに生まれ続け、それに過去の経験を単純
に当てはめるだけでは、解決困難なことも確かである。では、歴史を
学ぶ意義とは何か。本書では、さまざまな時代背景から生まれてき
た教育文化を描き出す。それによって、現在議論されている問題につ
いて、かつての問題とどこが一緒で、どこが異なるのか重層的に理解
することが可能になるはずである。戦後教育史にも大胆に切り込んだ
教育文化史テキストの決定版、ついに刊行。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「日本の伝統的な子ども観は、無邪気、純真無垢、穢れなきもの。日
本はまるで子ども天国とルイス・フロイス、リンベルク、モースは
言った」
・「子返し(間引き)は『七歳までは神のうち』児童観によるもの」
・「子どもの成長の節々を祝う習俗行事は近世江戸時代に確立した」
もう一つ、再掲載になりますが、色川大吉さんの
「色川大吉対談集 あの人ともういちど」②を載せます。
この本で知ることができた方が何人かいます。
☆「日本の教育文化史を学ぶ」山田恵吾 ミネルヴァ書房 2014年 ③

◇伝統社会における子ども(子ども観)と教育(1)
1 日本における伝統的な子ども観としつけ、子殺し
(1)子宝観に基づく温和な育児法
① 日本における伝統的子ども観(子宝観)と温和な育児法
子ども
… ミドリゴ 稚児 餓鬼 小僧
チゴ
「乳を飲む子」 - 児 稚児
山上憶良(660-733)
銀も金も玉も何せむに勝れる宝子に如かめやも
「子に過ぎたる宝なし」平家物語 宝物集
「子は第一の宝」世話尽
「梁塵秘抄」遊びやせんとや生まれけむ…の歌
※ 子ども観
… 無邪気 純真無垢 穢れなきもの
日本はまるで子ども天国
ルイス・フロイス リンベルク モース
② 日本と西洋の子ども観・人間観の比較
- 性悪説(西洋)と性善説(日本)
ルソー 「子どもの発見」「自然主義」「消極教育論」
必要感(レディネス)重視 - 内発的動機付け
性善説的人間観に立ち時代の潮流に抗する教育観
- 当時西洋では家庭でも学校でも体罰
沖原豊「体罰」 英米型 大陸型 社会主義型
「学校教育法」
体罰は×だが懲戒権は認めている
(2)子殺し(間引き・子返し)の歴史
① 子殺しの歴史
梅根悟「世界教育史」1967
子殺し
①母体保護 ②不義の子 ③生け贄 ④経済的理由
西洋 キリスト教
子殺し → 子捨て
② 江戸時代に横行した子殺し(間引き)と子育て奨励書の刊行
子返し
「七歳までは神のうち」児童観
子宝観と餓鬼観の両方
③ 子どもの成長の節々を祝う習俗行事
- 近世江戸時代に確立
帯祝い トリアゲババ
取り上げ親 拾い親
子ども組
→ 若者組 娘組
☆「色川大吉対談集 あの人ともういちど」色川大吉 日本経済評論社 2016年 ②【再掲載 2018.2】
[出版社の案内]
1970年代後半から最近に至るまでの歴史家色川大吉の異色対談集。
女優あり作家あり、原発の告発者あり。石牟礼道子、阿部謹也、先
ごろ没した安丸良夫ら愛蔵すべき対談の数々。

◇新しい女性史を目指して 山崎朋子
□山崎朋子
1932~ 佐世保生
1952福井大修了
→ 小学校教師
1966
夫の上笙一郎との共著「日本の幼稚園」で毎日出版文化賞
アジア女性史研究
「サンダカン八番娼館」大宅壮一ノンフィクョン賞
□「アジア女性交流史」
『アジア女性交流史』明治編・対称編
女性がアジアの底辺で 3つが一つの延長上
□相馬黒光(こっこう)のことなど
相馬黒光「黙移」
ヒハリ・ボースと俊子、渡辺倭文栄(しずえ)
- 篠山紀信の叔母 20年間ボースの面倒
片方では相馬家の財政的なルートを確保しながら、片方では倭文栄
さんに結婚もさせないで奉仕させる
~ ひどい方じゃないか
山崎朋子 「渡辺倭文栄聞き書き」
郭沫若(かくまつじゃく)の日本人妻 佐藤をとみ
□明治と大正の違い
明治人
- 国家意識が強い 河原みき子(教師→スパイ)
大正人
- すこし余裕 → 自分の気持ちで ← 教育
大正:国家と個人との対立する価値をぶつけあうところに
□女中史の意味
山崎
~ 売春婦、女中、女工、農婦
昭和
女中さんの手がある
残酷
- 低賃金、労働者を雇ってありとあらゆる仕事をさせる
□根強い文書信仰
「いわゆる文献資料がなければものがいえない」
=「学問」
公的な歴史
「文書資料がなければ当人がいくら主張しても認めない」
行政
- 活字化された物がなければ資料として認めない
□魔にとりつかれる研究者
1972「サンダカン八番娼館」
本物
「先生は広い世間のこと、学問のことをいろいろ知っとるだろう
けど、この問題についてはわしが先生じゃ」
= 相互交流の中で研究者自身が自分を変えなくちゃならない
1995.1 「ちくま」No289
今回は、7月26日に続いて山田恵吾さんの
「日本の教育文化史を学ぶ」の紹介 3回目です。
出版社の案内には、
「こんにち、教育に関する議論が盛んである。しかし、このことを歴史的
に考えてみると、実は同じようなことは昔から議論されていたことがわ
かる。とはいえ、課題は新たに生まれ続け、それに過去の経験を単純
に当てはめるだけでは、解決困難なことも確かである。では、歴史を
学ぶ意義とは何か。本書では、さまざまな時代背景から生まれてき
た教育文化を描き出す。それによって、現在議論されている問題につ
いて、かつての問題とどこが一緒で、どこが異なるのか重層的に理解
することが可能になるはずである。戦後教育史にも大胆に切り込んだ
教育文化史テキストの決定版、ついに刊行。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「日本の伝統的な子ども観は、無邪気、純真無垢、穢れなきもの。日
本はまるで子ども天国とルイス・フロイス、リンベルク、モースは
言った」
・「子返し(間引き)は『七歳までは神のうち』児童観によるもの」
・「子どもの成長の節々を祝う習俗行事は近世江戸時代に確立した」
もう一つ、再掲載になりますが、色川大吉さんの
「色川大吉対談集 あの人ともういちど」②を載せます。
この本で知ることができた方が何人かいます。
☆「日本の教育文化史を学ぶ」山田恵吾 ミネルヴァ書房 2014年 ③
◇伝統社会における子ども(子ども観)と教育(1)
1 日本における伝統的な子ども観としつけ、子殺し
(1)子宝観に基づく温和な育児法
① 日本における伝統的子ども観(子宝観)と温和な育児法
子ども
… ミドリゴ 稚児 餓鬼 小僧
チゴ
「乳を飲む子」 - 児 稚児
山上憶良(660-733)
銀も金も玉も何せむに勝れる宝子に如かめやも
「子に過ぎたる宝なし」平家物語 宝物集
「子は第一の宝」世話尽
「梁塵秘抄」遊びやせんとや生まれけむ…の歌
※ 子ども観
… 無邪気 純真無垢 穢れなきもの
日本はまるで子ども天国
ルイス・フロイス リンベルク モース
② 日本と西洋の子ども観・人間観の比較
- 性悪説(西洋)と性善説(日本)
ルソー 「子どもの発見」「自然主義」「消極教育論」
必要感(レディネス)重視 - 内発的動機付け
性善説的人間観に立ち時代の潮流に抗する教育観
- 当時西洋では家庭でも学校でも体罰
沖原豊「体罰」 英米型 大陸型 社会主義型
「学校教育法」
体罰は×だが懲戒権は認めている
(2)子殺し(間引き・子返し)の歴史
① 子殺しの歴史
梅根悟「世界教育史」1967
子殺し
①母体保護 ②不義の子 ③生け贄 ④経済的理由
西洋 キリスト教
子殺し → 子捨て
② 江戸時代に横行した子殺し(間引き)と子育て奨励書の刊行
子返し
「七歳までは神のうち」児童観
子宝観と餓鬼観の両方
③ 子どもの成長の節々を祝う習俗行事
- 近世江戸時代に確立
帯祝い トリアゲババ
取り上げ親 拾い親
子ども組
→ 若者組 娘組
☆「色川大吉対談集 あの人ともういちど」色川大吉 日本経済評論社 2016年 ②【再掲載 2018.2】
[出版社の案内]
1970年代後半から最近に至るまでの歴史家色川大吉の異色対談集。
女優あり作家あり、原発の告発者あり。石牟礼道子、阿部謹也、先
ごろ没した安丸良夫ら愛蔵すべき対談の数々。
◇新しい女性史を目指して 山崎朋子
□山崎朋子
1932~ 佐世保生
1952福井大修了
→ 小学校教師
1966
夫の上笙一郎との共著「日本の幼稚園」で毎日出版文化賞
アジア女性史研究
「サンダカン八番娼館」大宅壮一ノンフィクョン賞
□「アジア女性交流史」
『アジア女性交流史』明治編・対称編
女性がアジアの底辺で 3つが一つの延長上
□相馬黒光(こっこう)のことなど
相馬黒光「黙移」
ヒハリ・ボースと俊子、渡辺倭文栄(しずえ)
- 篠山紀信の叔母 20年間ボースの面倒
片方では相馬家の財政的なルートを確保しながら、片方では倭文栄
さんに結婚もさせないで奉仕させる
~ ひどい方じゃないか
山崎朋子 「渡辺倭文栄聞き書き」
郭沫若(かくまつじゃく)の日本人妻 佐藤をとみ
□明治と大正の違い
明治人
- 国家意識が強い 河原みき子(教師→スパイ)
大正人
- すこし余裕 → 自分の気持ちで ← 教育
大正:国家と個人との対立する価値をぶつけあうところに
□女中史の意味
山崎
~ 売春婦、女中、女工、農婦
昭和
女中さんの手がある
残酷
- 低賃金、労働者を雇ってありとあらゆる仕事をさせる
□根強い文書信仰
「いわゆる文献資料がなければものがいえない」
=「学問」
公的な歴史
「文書資料がなければ当人がいくら主張しても認めない」
行政
- 活字化された物がなければ資料として認めない
□魔にとりつかれる研究者
1972「サンダカン八番娼館」
本物
「先生は広い世間のこと、学問のことをいろいろ知っとるだろう
けど、この問題についてはわしが先生じゃ」
= 相互交流の中で研究者自身が自分を変えなくちゃならない
1995.1 「ちくま」No289
この記事へのコメント
異なる個性の方が語り合う、その中には新しい発見もありそうです。
色川大吉の視点には頷けますね。
確かに明治人の国家意識の強さは今の私たちには理解できないところです。
教育は大切ですね。
対談の中の話から知ることが楽しみです。
山崎朋子さんについて少し知ることができました。