「 NHK『100分de名著ブックス』 空と慈悲の物語 維摩経」釈撤宗 2022年 ③ /「日本民俗学のエッセンス」瀬川清子・植松明石編 ペリカン社 1979年 ⑥【再掲載 2017.10】

今日は12月1日、月曜日です。


今回は、11月28日に続いて、釈撤宗さんの
「NHK『100分de名著』ブックス 維摩経―空と慈悲の物語」
の紹介 3回目です。



出版社の案内には、


「『100分de名著』で2017年6月に放送され、大好評を博した
『維摩経』がついに単行本化。特別章「空だからこそ」を加筆。
大乗仏教の経典の中でも異彩を放つ存在である『維摩経(ゆい
まぎょう)』。そこで説かれる内容は、仏教の『そもそも』を見
つめ直す視点や、世俗と世俗に関わることを肯定し、しかし執
着や分別心から己を解き放ち生き抜くことを説くものだ。
著者は仏教思想の大転換点として『維摩経』の解説を行い、
『空』と『慈悲』という仏教思想の両輪を、そこに見る。また、
維摩という在家の老人による、『困難を抱える人びとが苦しん
でいる限り自分の幸せはないという他者性を重んじた考え方』
は、極めて今日的な示唆を与えてくれるとする。
特別章として、仏教の本質でもある「空」思想への理解を深
める論考を、『維摩経』の関係を示しながら付す。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「自分というフィルター(とらわれ)を捨てることが大切」


・「仏教では、すべてのものは要素が集まった集合体に過ぎず、姿も本
  質も常に変化していて、一瞬といえども同じ状態としてまとまって
はおらず、さらに自分というものも実体はない。集合したものの本
質が『空』」


・「 四つの元素、『地』堅さ、『水』湿潤、『火』熱性、『風』流動性」




もう一つ再掲載になりますが、瀬川清子・植松明石編の
「日本民俗学のエッセンス」⑥を載せます。
今回は、「民俗学者 中山太郎」についてです。




☆「空と慈悲の物語 維摩経」釈撤宗 NHK100分de名著ブックス 2022年 ③

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◇仏教思想の一大転換(3)

1章「仏(ぶつ)国(こく)品(ぼん)」 

  仏の道は世俗と共にある


六波羅蜜の大切さ
   - 自分の都合を小さくするための智慧


悟りを開くために「四無量」と「四摂法」が大切
   - 慈悲の大切さ


  美しいこの世界も偏った見方や執着した目でみれば不浄となる


  自分というフィルター(とらわれ)を捨てることが大切


  仏教
   ~「智慧」と「慈悲」の獲得実践を目指す教え

 「智慧」
       - 自分のフィルターを通さずものごとの本質を見る

     「慈悲」
       - たった一人の我が子のように寄り添う


  維摩とはどんな人物なのか





2章「方(ほう)便(べん)品(ぼん)」

維摩の登場
    さまざまな手立てをもって人々を導く能力に長けていた
身体を頼りにすることはない
     - たまたま成立しているだけ やがて朽ちてしまい、ばら
      ばらに分離してしまう
= 単独で成立し、決して変化せず、何者にも関係しない存
      在などない


  集合したものの本質が「空」

  ◎ 仏教では、すべてのものは要素が集まった集合体に過ぎず、姿
   も本質も常に変化していて、一瞬といえども同じ状態としてまと
   まってはおらず、さらに自分というものも実体はない

「諸行無常」
      - すべての減少は刻々と変化し続ける

「諸法無我」
      - あらゆる存在において不滅で不変の実体はない


 ◎ 自分という存在も一時的なものであり、いくつかの要素の集合体で
  あると自覚して、自分というものに執着しなければならない苦悩は解
  体できると説かれている


  方便を巧みに使って教えを説く維摩
「維摩の病気は方便である」
方便
        = 真実へと近づくための中間地点
          「まずはここまで」 

釈迦
        ~ 自らの臨終を見せる行為も最後の説法の意味
        = 老いや病気は避けては通れないもの





3章「菩(ぼ)薩(さつ)品(ぼん)」

  釈迦の弟子や菩薩たちを大乗仏教の教えへと導いていく

居士「家の主人」 六道(天・人・修羅・畜生・餓鬼・鬼)
上座部仏教(小乗仏教) 
密教(三密 手と指を呪力ある形に組む(身密-行動)
      マントラという呪句を唱え(口密-言葉)、心には仏の姿を
     思い描く(意密-心))

四つの元素 
      「地」堅さ
      「水」湿潤 
      「火」熱性 
      「風」流動性 









☆「日本民俗学のエッセンス」瀬川清子・植松明石編 ペリカン社 1979年 ⑥【再掲載 2017.10】


[出版社の案内]

本書は、日本民俗学の研究史上、重要な研究者18人をえらんで、
その研究と方法を示し、それを中心に、日本民俗学の成立、展開
の理解にせまろうとしたものである。

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◇中山太郎 その研究と方法  平山和彦

1.はじめに 
   「野の学者」



2.略歴と業績
  1876 栃木県足利郡梁田村生
  22歳で東京専門学校入学
      →  報知新聞 博文館

3万枚のカード

柳田,折口,南方,金田一京助,山中共古,佐々木喜善,
  ニコライ・ネフスキー、鳥居龍蔵





3.中山民俗学の評価

  文化史的,風俗史的研究
    柳田国男は批判
大林太良
   - 肯定的評価  
     北方文化圏との交流重視



4.方法論と問題点

 (1) 扱われている資料の豊富さ 
     性の問題も


 (2) テーマの設定や着想の良さ
    売笑史,婚姻史,巫女史,職人史 
      ~ 読書


 (3) 資料(史料)批判の弱さ
     目前の民俗よりも歴史上の民俗に関心
     文献資料
     民俗の源流を他民族に求める傾向


  <著作> 
   「日本民俗学」大和書房
「日本若者史」「日本盲人史」「日本巫女史」
 大林太良 「中山太郎論」