「空と慈悲の物語 維摩経」釈撤宗 NHK100分de名著ブックス 2022年 ④ /「愛国と信仰の構造全体主義はよみがえるか」中島岳士・島薗進 集英社新書 2016年【再掲載 2017.6】

今日は12月9日、火曜日です。



今回は、12月1日に続いて、釈撤宗さんの
「NHK『100分de名著』ブックス 維摩経―空と慈悲の物語」
の紹介 4回目です。



出版社の案内には、


「『100分de名著』で2017年6月に放送され、大好評を博した
『維摩経』がついに単行本化。特別章『空だからこそ』を加筆。
大乗仏教の経典の中でも異彩を放つ存在である『維摩経(ゆい
まぎょう)』。そこで説かれる内容は、仏教の『そもそも』を見
つめ直す視点や、世俗と世俗に関わることを肯定し、しかし執
着や分別心から己を解き放ち生き抜くことを説くものだ。
著者は仏教思想の大転換点として『維摩経』の解説を行い、
『空』と『慈悲』という仏教思想の両輪を、そこに見る。また、
維摩という在家の老人による、『困難を抱える人びとが苦しん
でいる限り自分の幸せはないという他者性を重んじた考え方』
は、極めて今日的な示唆を与えてくれるとする。
特別章として、仏教の本質でもある『空』思想への理解を深
める論考を、『維摩経』の関係を示しながら付す。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「座禅は俗世間の中にあって身と意(こころ)を現さないこと。煩悩は
起こるに任せしかも心が平静であるように」


・「すべての執着を捨て去るために行うのが乞食行」


・「人は『自分が正しい』『自分が優れている』といった自信をもった
とき、自分が見えなくなるものがある。言い換えれば、自分が秀
  でていると感じている領域にこそ落とし穴がある」




もう一つ再掲載になりますが、中島岳士さん、島薗進さんの
「愛国と信仰の構造全体主義はよみがえるか」を載せます。
この頃の政治状況に大きな危うさを感じます。





☆「空と慈悲の物語 維摩経」釈撤宗 NHK100分de名著ブックス 2022年 ④

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◇「得意分野」こそ疑え(1)

見舞いに行くのは誰だ
3章「弟(で)子(し)品(ぼん)」
坐禅
      - 俗世間の中にあって身と意(こころ)を現さないこと
煩悩は起こるに任せしかも心が平静である
釈迦
      - 「維摩のお見舞いに行ってきてくれませんか」
しかし断る
舎(しや)利(り)弗(ほつ)(智慧第一) 目連(神通第一)
           大(だい)迦(か)葉(しよう)(頭陀第一)



得意分野をことごとく否定
乞食行
   … すべての執着を捨て去るために行うのが乞食行
                    (施す側のものでもある)

   維摩はそれぞれの弟子が一番得意としているものをことごとく否
   定している 
 舎利弗 ← 智慧  
     目連  ← 能力  
     大迦葉 ← 乞食行

= 人は「自分が正しい」「自分が優れている」といった自身
     をもったとき、見えなくなるものがある。

- 自分が秀でていると感じている領域にこそ落とし穴が
       ある



自分を見つめ直し、他者を観察せよ
  この後も釈迦の代役を、維摩の過去の出来事を理由に断られてし
   まう

富楼那(ふるな)(説法第一)
      ←「自己分析と他者観察」の大切さ

優波離(うばり)(持律第一) 
      ← 自分というものを必死に守ろうとするから誤って動く
       側に走る。

羅睺羅(らごら)(釈迦の息子)
      ← 悟りを求める気持ちを起こせば出家

最後に阿難(多聞第一)
      ← 以前聞いてなかったことをとがめられたので断る



生活のすべてが修行道場である
  信頼していた十人の弟子(十大弟子)全員に断られた 

4章 「菩(ぼ)薩(さつ)品(ぼん)」
菩薩たちに見舞い役を頼む
まず弥勒菩薩
           ← 未来は? まず一瞬 因→果
「刻々と減し刻々と生じる」
光厳童子(童子=求道者)
           ←すべての場所が仏道修行になる
時世菩薩



在家者も仏法を説くことができる
  善徳(立派な在家者)



引き受けたのは文殊菩薩                           










☆「愛国と信仰の構造全体主義はよみがえるか」中島岳士・島薗進 集英社新書 2016年【再掲載 2017.6】


[出版社の案内]

国家神道、祖国礼拝、八紘一宇。愛国心と信仰心が暴走した果てに、
戦前の日本がなだれこんでいった全体主義。その種がまかれた明治
維新から第二次大戦まではおよそ75年だが、戦後75年が近づく現
代の日本も、奇妙によく似た歴史の過程を進んでいる。危機の時代
になると、人々はなぜ国家と宗教に傾斜していくのか。戦前のよう
な全体主義はよみがえるのか。日本の社会と政治の歪みに気鋭の政
治学者と宗教学の泰斗が警鐘を鳴らす!

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◇戦前ナショナリズムはなぜ全体主義に向かったか

現代日本の「右傾化」の背後にあるもの
  ナショナリズムと宗教
  愛国と信仰


グローバル化による個人の砂粒化と宗教ナショナリズムの台頭
  ナショナリズムと宗教が結びついて
  靖国参拝問題 日本会議1997


今も国家神道は生きている
  全体主義はデモクラシーの後 1930年代以降
  しかし明治維新より?


明治維新からの150年
 - 繰り返されるサイクル
 25年ごと
    明治維新からのサイクルと相似的
25年ごとの時代の特質


幕府を倒した「一君万民ナショナリズム」
  「一君万民」
    → 江戸時代の解体
  ナショナリズムそのものは右派的  右出自


明治維新はフランス革命とどこが違うのか?
  明治維新
   ~ リストレーション「回復」「復興」


上からのナショナリズム が再創造する「伝統」
  「国家は国民のもの」

  → 「国民は国家のもの」
     国家主義   


国学のもたらしたもの
 - 天皇と人民の一体化というユートピア主義
 「古代回帰」のユートピア主義 


日本の儒教が育てたもの
  「国体」論を
  天皇主義者による自由民権運動