「空と慈悲の物語 維摩経」釈撤宗 NHK100分de名著ブックス 2022年 ⑥ /「宮本常一さん 教育について」⑫-『庶民の発見』(学術文庫)【再掲載 2017.8】
今日は12月15日、月曜日です。
今回は、12月12日に続いて、釈撤宗さんの
「NHK『100分de名著』ブックス 維摩経―空と慈悲の物語」
の紹介 6回目です。
出版社の案内には、
「『100分de名著』で2017年6月に放送され、大好評を博した
『維摩経』がついに単行本化。特別章『空だからこそ』を加筆。
大乗仏教の経典の中でも異彩を放つ存在である『維摩経(ゆい
まぎょう)』。そこで説かれる内容は、仏教の『そもそも』を見
つめ直す視点や、世俗と世俗に関わることを肯定し、しかし執
着や分別心から己を解き放ち生き抜くことを説くものだ。
著者は仏教思想の大転換点として『維摩経』の解説を行い、
『空』と『慈悲』という仏教思想の両輪を、そこに見る。また、
維摩という在家の老人による、『困難を抱える人びとが苦しん
でいる限り自分の幸せはないという他者性を重んじた考え方』
は、極めて今日的な示唆を与えてくれるとする。
特別章として、仏教の本質でもある『空』思想への理解を深
める論考を、『維摩経』の関係を示しながら付す。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥
・「『空』であるという立場に立つことで苦悩を滅する。」
・「苦悩にまみれた世俗の中で,社会や他者とかかわりながら生きるの
が仏道を求める本当の姿なのではないか」
・「日本仏教の傾向は『ノーマライゼーション・ブディズム』、ごく普
通に社会生活を送ったり家庭生活を営む中にある仏道」
もう一つ再掲載になりますが
「宮本常一さん 教育について」⑫『庶民の発見』を載せます。
読み直していて朝のドラマ『ばけばけ』を頭に浮かべました。
☆「空と慈悲の物語 維摩経」釈撤宗 NHK100分de名著ブックス 2022年 ⑥

◇縁起の実践 空の実践
□大乗仏教の根本概念「空」
5章「文殊師利問疾品」
部屋を見て
文殊
「どうして空っぽなのでしょう。身の回りのお世話をする
方もいらっしゃらないのですか」
維摩
「それは空だからです空だから空っぽなのです」
「空とは無分別のこと」
~ 関係性
→ 二項対立構造の解体
◎「空」であるという立場に立つことで苦悩を滅する。
→ 自分のフィルターを通して物事を認識している。
→ いつも認識が歪んでいる
文殊
「では、その空へは何を手だてに行き着くのでしょうか」
維摩
「それは六十二見から求めるべきでしょう」
六十二見
= 仏教以外の邪説(迷いの考え方)
- 仏教以外の思想を知ることによって仏教の本質がより明確
に見えてくる。
◎二項対立、二者択一
□病気の菩薩にどう向き合うか
「空の理論」(自分には実体がない)
と
「空の実践」(自分がもつ枠組みを解体し執着からは離れる
□仏教者は世俗の中で生きるべき
維摩
「苦悩にまみれた世俗の中で,社会や他者とかかわりながら生きる
のが仏道を求める本当の姿なのではないか」
「出家の形態にこだわらず世俗の中で執着せずに生きる」新たなラ
イフスタイル
「半僧反俗」のお坊さん
-「維摩経」
※ ニッポンの仏教に出家という形態は土着しなかった
聖徳太子
「三経義疏」
法華経・勝鬘経・維摩経
- 出家形式を重要視しない聖俗平等の教え
筆者
日本仏教の傾向
「ノーマライゼーション・ブディズム」
ごく普通に社会生活を送ったり家庭生活を営む中にある仏道
- 浅原才市(浄土真宗の妙好人、石見の才市)のような
念仏者が生まれる土壌
□維摩の家で起こった不思議な出来事
6章「不(ふ)思(し)議(ぎ)品(ぼん)」
一つの細胞に全宇宙がある
維摩
- 仏教の基盤
7章「観衆生品」
執着・固着のメタファー 華
大乗仏教 「三大」身体・相・用(ゆう)
◎空は概念の遊びではない
□煩悩なくして悟りもない
8章「仏道品」
悟りに入るためには非道に身を投じよ
□縁があれば関わり、縁がなければ離れる
「縁起の実践」と「空の実践」
☆「宮本常一さん 教育について」⑫-『庶民の発見』(学術文庫)【再掲載 2017.8】

◇村里の教育
□生活技術の伝承
① 若い人々に社会的な存在としての性格を植え付けていくこと
② 個人が生きていくための方法や手段を身につけていくこと
言葉と文字 = 教育の武器
□助け合い制度
大きな家(社会保障の役割)
→ 凶作に備えて
他村との協力 惣中
□村の道徳律
① 公生活の教育
協同精神
② 私生活の教育
生活技術
□しつけ 「躾」の字は中国にはない
「シツケがよいとは,その社会における共通感覚を身に付け動作の
上にそつのないこと」
- 崩れない折り目を付けること
= 実践を通して生き方を一つのかたちとして身に付けていく
こと
シツケ奉公
「シオふんでこい」
西日本の基準
・モッタイナイ(義理)
・オカゲ(義理)
・バチ(恥)
<天地神仏の加護>
言葉遣い 行儀 訓練
□東日本と西日本
東日本
… 同族結合
西日本
… 地縁結合
□一人前
コツを覚える
= ある一定の能力
→ 共同作業
□文字の教育
文字は村外との交渉の上に必要
農民 文字を覚えるため(寺子屋)
「文字教育」が国民全体の文化を高めた
◇底辺の神々
□差別
① 未解放部落
② 憑きもの筋
※ 日本にはパブリックマインドができていない
→ 選民意識と愚民意識
□憑きもの筋
噂に悪意のこめられたときほど始末の悪いものはない
伴う
… 羨望 同情 敬意 軽蔑 悲劇
モノが憑く
… 過去の社会ではありふれた現象
= 狐狸にばかされる
憑く
… 一定時間を経ると正常に戻る
「過去の我々の社会は,この憑くことや神懸かりの現象に
特別の意味を認め,その異常精神状態の人々から正常の
者では聞けない神の声や自然の声を聞こうとし,それに
よって目に見えないものの与える災害を防ごうとした。」
→ 女(巫女)
動物の霊のたたり
キツネ(意地悪)と蛇(執念深い)
生駒山脈
狐や蛇をまつるものが多い
神人や巫女
一部には尊敬されて一部には軽蔑されている
「つきもの筋」
憑きもの
・キツネ(山陰)
・犬神(中国四国九州)
・蛇神(西海)
□盲僧
盲目の人が多かった
- 按摩
門つけ 琵琶法師 三味線ごぜ
門付けを公認してもらい上前をはねながら細々と生活していた。
今回は、12月12日に続いて、釈撤宗さんの
「NHK『100分de名著』ブックス 維摩経―空と慈悲の物語」
の紹介 6回目です。
出版社の案内には、
「『100分de名著』で2017年6月に放送され、大好評を博した
『維摩経』がついに単行本化。特別章『空だからこそ』を加筆。
大乗仏教の経典の中でも異彩を放つ存在である『維摩経(ゆい
まぎょう)』。そこで説かれる内容は、仏教の『そもそも』を見
つめ直す視点や、世俗と世俗に関わることを肯定し、しかし執
着や分別心から己を解き放ち生き抜くことを説くものだ。
著者は仏教思想の大転換点として『維摩経』の解説を行い、
『空』と『慈悲』という仏教思想の両輪を、そこに見る。また、
維摩という在家の老人による、『困難を抱える人びとが苦しん
でいる限り自分の幸せはないという他者性を重んじた考え方』
は、極めて今日的な示唆を与えてくれるとする。
特別章として、仏教の本質でもある『空』思想への理解を深
める論考を、『維摩経』の関係を示しながら付す。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥
・「『空』であるという立場に立つことで苦悩を滅する。」
・「苦悩にまみれた世俗の中で,社会や他者とかかわりながら生きるの
が仏道を求める本当の姿なのではないか」
・「日本仏教の傾向は『ノーマライゼーション・ブディズム』、ごく普
通に社会生活を送ったり家庭生活を営む中にある仏道」
もう一つ再掲載になりますが
「宮本常一さん 教育について」⑫『庶民の発見』を載せます。
読み直していて朝のドラマ『ばけばけ』を頭に浮かべました。
☆「空と慈悲の物語 維摩経」釈撤宗 NHK100分de名著ブックス 2022年 ⑥
◇縁起の実践 空の実践
□大乗仏教の根本概念「空」
5章「文殊師利問疾品」
部屋を見て
文殊
「どうして空っぽなのでしょう。身の回りのお世話をする
方もいらっしゃらないのですか」
維摩
「それは空だからです空だから空っぽなのです」
「空とは無分別のこと」
~ 関係性
→ 二項対立構造の解体
◎「空」であるという立場に立つことで苦悩を滅する。
→ 自分のフィルターを通して物事を認識している。
→ いつも認識が歪んでいる
文殊
「では、その空へは何を手だてに行き着くのでしょうか」
維摩
「それは六十二見から求めるべきでしょう」
六十二見
= 仏教以外の邪説(迷いの考え方)
- 仏教以外の思想を知ることによって仏教の本質がより明確
に見えてくる。
◎二項対立、二者択一
□病気の菩薩にどう向き合うか
「空の理論」(自分には実体がない)
と
「空の実践」(自分がもつ枠組みを解体し執着からは離れる
□仏教者は世俗の中で生きるべき
維摩
「苦悩にまみれた世俗の中で,社会や他者とかかわりながら生きる
のが仏道を求める本当の姿なのではないか」
「出家の形態にこだわらず世俗の中で執着せずに生きる」新たなラ
イフスタイル
「半僧反俗」のお坊さん
-「維摩経」
※ ニッポンの仏教に出家という形態は土着しなかった
聖徳太子
「三経義疏」
法華経・勝鬘経・維摩経
- 出家形式を重要視しない聖俗平等の教え
筆者
日本仏教の傾向
「ノーマライゼーション・ブディズム」
ごく普通に社会生活を送ったり家庭生活を営む中にある仏道
- 浅原才市(浄土真宗の妙好人、石見の才市)のような
念仏者が生まれる土壌
□維摩の家で起こった不思議な出来事
6章「不(ふ)思(し)議(ぎ)品(ぼん)」
一つの細胞に全宇宙がある
維摩
- 仏教の基盤
7章「観衆生品」
執着・固着のメタファー 華
大乗仏教 「三大」身体・相・用(ゆう)
◎空は概念の遊びではない
□煩悩なくして悟りもない
8章「仏道品」
悟りに入るためには非道に身を投じよ
□縁があれば関わり、縁がなければ離れる
「縁起の実践」と「空の実践」
☆「宮本常一さん 教育について」⑫-『庶民の発見』(学術文庫)【再掲載 2017.8】
◇村里の教育
□生活技術の伝承
① 若い人々に社会的な存在としての性格を植え付けていくこと
② 個人が生きていくための方法や手段を身につけていくこと
言葉と文字 = 教育の武器
□助け合い制度
大きな家(社会保障の役割)
→ 凶作に備えて
他村との協力 惣中
□村の道徳律
① 公生活の教育
協同精神
② 私生活の教育
生活技術
□しつけ 「躾」の字は中国にはない
「シツケがよいとは,その社会における共通感覚を身に付け動作の
上にそつのないこと」
- 崩れない折り目を付けること
= 実践を通して生き方を一つのかたちとして身に付けていく
こと
シツケ奉公
「シオふんでこい」
西日本の基準
・モッタイナイ(義理)
・オカゲ(義理)
・バチ(恥)
<天地神仏の加護>
言葉遣い 行儀 訓練
□東日本と西日本
東日本
… 同族結合
西日本
… 地縁結合
□一人前
コツを覚える
= ある一定の能力
→ 共同作業
□文字の教育
文字は村外との交渉の上に必要
農民 文字を覚えるため(寺子屋)
「文字教育」が国民全体の文化を高めた
◇底辺の神々
□差別
① 未解放部落
② 憑きもの筋
※ 日本にはパブリックマインドができていない
→ 選民意識と愚民意識
□憑きもの筋
噂に悪意のこめられたときほど始末の悪いものはない
伴う
… 羨望 同情 敬意 軽蔑 悲劇
モノが憑く
… 過去の社会ではありふれた現象
= 狐狸にばかされる
憑く
… 一定時間を経ると正常に戻る
「過去の我々の社会は,この憑くことや神懸かりの現象に
特別の意味を認め,その異常精神状態の人々から正常の
者では聞けない神の声や自然の声を聞こうとし,それに
よって目に見えないものの与える災害を防ごうとした。」
→ 女(巫女)
動物の霊のたたり
キツネ(意地悪)と蛇(執念深い)
生駒山脈
狐や蛇をまつるものが多い
神人や巫女
一部には尊敬されて一部には軽蔑されている
「つきもの筋」
憑きもの
・キツネ(山陰)
・犬神(中国四国九州)
・蛇神(西海)
□盲僧
盲目の人が多かった
- 按摩
門つけ 琵琶法師 三味線ごぜ
門付けを公認してもらい上前をはねながら細々と生活していた。