「心を操る文章術」清水義範 新潮新書 2014年 ③ /『日本例話大全書』有馬朗人・中西進他 四季社 2001年 ⑪【再掲載 2015.11】

今日は、4月8日、水曜日です。



今回は4月5日に続いて、清水義範さんの
「心を操る文章術」の紹介 3回目です。


文章で人の心を動かすことができたら…と考え、読みました。




出版社の案内には、


「文章は、ちょっとした工夫で印象がガラリと変わる- 文体
 模倣の名手が、『笑わせる』『泣かせる』『怖がらせる』『怒ら
 せる』『和ませる』文章を書くために必要な発想とテクニッ
 クをつぶさに伝授。小説、エッセイ、新聞記事など様々な実
 例をもとに読み手の感情を揺さぶることのできる文章と、で
 きない文章の違いを明快に解き明かす。ユーモア満載で描か
 れた異色の文章読本。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥


・「は泣くとちょっとスッキリして気持ちがよくなる」


・「悲しいことの前に健気なことを置くのが泣かせの必殺技」


・「乾いた文章で端的に語った方がその悲劇性がよく伝わる」




もう一つ再掲載になりますが、
『日本例話大全書』⑪を載せます。
ちょっとした話しの種になります。



時間がありましたら、

メインブログ「はぐくみ昇榮」

サブブログ「新コラ脳トレ」

にもお立ち寄り願います。






☆「心を操る文章術」清水義範 新潮新書 2014年 ③

本.jpg

◇文章で泣かせる

□「多く笑う者は幸福であり多くなく者は不幸である」
                ショーペンハウエル

 それって面白いんだと気付かせる笑い
『バールのようなもの』



□「全ての人間にとりて共通のあらゆる多くの福祉のうち最大た
  るものは悲しみなり」

  泣ける文章にも品の善し悪しがある

  韓国映画 
    ○『8月のクリスマス』 
    ×『ぼくの彼女を紹介します』

  人は泣くとちょっとスッキリして気持ちがよくなる




□「泣くことも一種の快感である」モンテーニュ

  健気なものに涙する
    健気さ  
    悲しいことの前に健気なことを置く
     = 泣かせの必殺技

  名作『火垂るの墓』野坂昭如
      ふわりふわり悲しみに近付いては俣遠ざかり、愛が
     あって息苦しいほどなのにビシリと悲しい  



□「われわれは生まれてくる時に泣く 死ぬ時ではない」
                     アルドリッチ

  情に流れるのでなく端的な描写が悲劇を強める
    ゴーゴリの『外套』 
     - ドライな文章の中でこそ
    ゲーテ『若きウェルテルの悩み』 
- 乾いた文章で端的に語った方がその悲劇性がよく
      伝わる



□「信の悲しみは苦しみの支え杖なり」アイスキュロス

  人は出来事にではなく、その様子に泣く
    どんな様子かを書くことがテクニック
    その時の様子をじっくり書き込むことによりしみじみと
   伝わる
  
エミール・ゾラ『居酒屋』



□「男がありとあらゆる理屈を並べても女の一滴の涙には叶わな
  い」  オルテール

  泣ける文章には作者も胸がつぶれそう
    清水義範『トグ兄ちゃん』 
      ◎書いている人の心が震えているかどうか 











☆『日本例話大全書』有馬朗人・中西進他 四季社 2001年 ⑪【再掲載 2015.11】

1-7bf23-thumbnail2-thumbnail2.jpg

◇深く悲しむ心 

○鹿を打つ慈悲 明恵
  明恵(1173~1232)京都・栂尾 高山寺
   承久の乱(1221) 
      公家落人が逃げ込み引き渡さず
 → 幕府は怒り上人に縄をかけ執権・北条泰時の前に

  明恵
  「もし政治の邪魔になるのなら愚僧の首を切るがよい」
  → 泰時は心を打たれ非礼を謝る

  明恵
   「あの鹿を打て!」 
     馴れると人里に 
     → 人に命を取られることになる



○罪を憎んで人を憎まず 了源
  了源(1294~1336) 浄土真宗・仏光寺派
  野武士に首をかききられる
片袖に血で「この者菩提心あり、罰すべからず」
      → 野武士は一生弔う




◇安らぎの心

○やすらぎの心 栄鈷和尚 
  三粒の大豆で大仏をつくる
  栄鈷和尚 
    宇都宮市菩願寺十世
  円淳
   「三粒の大豆が秋には何百粒にもなる。檀家に三粒ずつ分
    け、収穫を寄進してもらえ」
  → 10年後 必要資金を調達
→ 享保20年秋 大仏完成



○虫に託された教え 風外禅師
  風外禅師 
    曹洞宗 大阪・円通院



○弟子となった盗賊
  法然(1133~1212)

  盗人 天野四郎 
   「わたしは盗人です。そんなわたしでも阿弥陀様はお救い
    くださるでしょうか」
  - 盗みぐせ直らないが後に立派な僧に



○恨みは恨みによってやまず
法然(1133~1212)
  お釈迦様 
     「復讐」と言うことに対して明確な答えを出している
 「法句経」
    恨みは恨みによってやまず。ただ恨みを捨てることによ
   ってのみやむ。

  法然の父 漆間時国 久米郡押領使(岡山)
 明石源内定明に夜討ちされ死す
  勢至丸(法然)枕元に呼び
   「…恨んではいけない。今度は子孫がお前を恨むこと
      になる…。悟り求めなさい」
→ 出家



○こころを清める極楽往生
一休宗純(139~1481)